公衆衛生学

新型コロナウイルスの懸念される変異株 (Variants of Concern; VOC)[2021年7月6日時点]

アルファ株

基本情報

  • 最も早期の検体例:英国(2020年9⽉)
  • Pango系統:B.1.1.7
  • GISAIDクレード:GRY
  • Nextstrainクレード:20I (V1)
  • Sタンパクの主要変異:H69/V70⽋失, Y144⽋失, N501Y, A570D, P681H

感染性

  • 伝播性が5~7割増加の推定結果がある
  • 2次感染率が25-40%増加するとの報告がある

重篤度

  • ⼊院および死亡リスクの上昇と関連している可能性が⾼い(likely)

再感染性(抗原性)

  • 再感染率について野⽣株との有意差なしの暫定結果
  • ⾮変異株に⽐べて、変異株に対する回復者⾎漿による中和能が2-3倍程度低下
  • 英国で中和抗体からの逃避変異とされるE484K変異も有する株が⾒つかった

ワクチンへの感受性

  • Pfizer社製、AstraZeneca社製、Novavax社製のワクチンの本変異株に対する暫定的な有効性(発症)はそれぞれ97%、70.4%、85.6%で、⾮変異株と⽐較して防御能は⼤きく変化なし
  • (抗原性評価)Pfizer社製、Moderna社製、Novavax社製で低下なし〜微減
  • (抗原性評価)AstraZeneca社製で微減〜中程度低下

ベータ株

基本情報

  • 最も早期の検体例:南アフリカ(2020年5⽉)
  • Pango系統:B.1.351
  • GISAIDクレード:GH/501Y.V2
  • Nextstrainクレード:20H (V2)
  • Sタンパクの主要変異:242-244⽋失, K417N, E484K, N501Y

感染性

  • 2次感染率が50%程度増加の推定結果がある

重篤度

  • ⼊院時死亡リスクの上昇と関連している可能性がある

再感染性(抗原性)

  • ⾮変異株に⽐べて、変異株に対する回復者⾎漿による中和能が10-15倍程度低下
  • モデリング上、感染性増加がないと仮定すると、過去の感染による免疫から21%逃避していると推定されている

ワクチンへの感受性

  • Pfizer社製、Novavax社製、Johnson & Johnson/Janssen社製のワクチンの本変異株に対する暫定的な有効性はそれぞれ75.0%、51.0%、52.0%と低下が懸念され、AstraZeneca社製のワクチンは本変異株に有効性を⽰さず(エビデンスは限られている)
  • (抗原性評価)Pfizer社製、Moderna社製で微減〜⾼程度低下
  • (抗原性評価)AstraZeneca社製、Novavax社製で中〜⾼程度低下

ガンマ株

基本情報

  • 最も早期の検体例:ブラジル(2020年11⽉)
  • Pango系統:P.1
  • GISAIDクレード:GR/501Y.V3
  • Nextstrainクレード:20J (V3)
  • Sタンパクの主要変異:K417T, E484K, N501Y

感染性

  • ⾮ガンマ株に⽐べて1.4倍から2.2倍伝播しやすいという解析結果がある

重篤度

  • ⼊院リスクの上昇と関連している可能性がある

再感染性(抗原性)

  • ⾮変異株に⽐べて、変異株に対する回復者⾎漿による中和能が6倍程度低下
  • ⾮501Y.V3株に⽐べて既感染による免疫を25-61%回避可能という解析結果がある
  • 他株への既感染者の再感染事例の報告あり

ワクチンへの感受性

  • Pfizer社製のワクチン1回接種21⽇後以降では暫定的な有効性(感染・発症問わず)は61%であり(⾮変異株は72%)、SinoVac社製のワクチンの本変異株に対する暫定的な有効性は41.6%と低下が懸念される(エビデンスは⾮常に限られている)
  • (抗原性評価)Pfizer社製、Moderna社製で微減〜中程度低下
  • (抗原性評価)AstraZeneca社製、SinoVac社製で低下なし〜微減
  • (抗原性評価)Johnson & Johnson/Janssen社製で低程度低下

デルタ株

基本情報

  • 最も早期の検体例:インド(2020年10⽉)
  • Pango系統:B.1.617.2, AY.1, AY.2
  • GISAIDクレード:G/478K.V1
  • Nextstrainクレード:21A
  • Sタンパクの主要変異:L452R, T478K, D614G, P681R

感染性

  • 感染・伝播性が⾮変異株より97%増加の推定があり、2次感染率がアルファ株より増加していることが⽰唆されている

重篤度

  • ⼊院リスクの上昇と関連している可能性がある

再感染性(抗原性)

  • ⾮変異株やアルファ株に⽐べて回復者⾎漿による中和能が低下しているという報告がある

ワクチンへの感受性

  • Pfizer社製、AstraZeneca社製のワクチンの本変異株に対する暫定的な有効性はそれぞれ87.9%、59.8%であった
  • (抗原性評価)Pfizer社製で低下なし/微減〜中程度低下
  • (抗原性評価)AstraZeneca社製で⾼程度低下(1回⽬接種後)
  • (抗原性評価)詳細データ・ワクチン製造会社等不明だがAY.1に対するワクチン接種後⾎清の中和能は保たれているとする報告あり

参照

-公衆衛生学

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