デジタルヘルス

包括的データ戦略 (案)Ⅰ 総論(2021年6月15日)

Ⅰ 総論

1. 背景

(1) データ戦略の必要性

デジタル化の急速な進展・高度化が進むなか、 データは 智恵 ・ 価値・競争力の源泉 であるとともに 、 課題先進国である日本の社会課題を解決する切り札 と位置付けられる。そのため、 現実 世界 をサイバー 空間 で 再現 「 デジタルツイン 」 するとともに 、 個人、民間企業、国家のニーズを踏まえ た 新たな 価値 の 創出 が求められている。

一方で 、サイバー空間の膨張に伴い、プライバシーの侵害、セキュリティ、データ保護 の確保、競争上の課題、 さら には フェイクニュースなど民主主義の根本等に 関わる 様々な負の側面も 顕在化 し 、国家監視型社会に対する懸念も強まって おり、 こういった潮流に対応するため、「国として守るべきデータ」、「個人情報」、「民間で活用すべきデータ」等、データの性質に応じて、データの適切な扱いが求められている。

また、こういった負の側面は、 グローバルなデータガバナンスの規律が不在であることと相まって、 諸外国の デジタル保護の主義の動き を助長 し 、 国境を越えた データの円滑な利用が妨げられる恐れも増大している。
このため、我が国がG 2 0 大阪サミットで提唱し、各国の賛同を得た DFFT (Data Free Flow with Trust)の具体化 を国内 及び 世界で実現するための戦略 が急務となっている。

このような背景のもと、世界トップレベルの デジタル国家 を目指し、それにふさわしいデジタル基盤を構築するため包括的なデータ戦略を策定することとする。

(2) 世界のデータ戦略

世界各国は、デジタル化の進展 、 データ量の増大、 及び AI 能力の向上などを背景に、 データが国の豊かさや国際競争力の基盤 であると捉え 、 デー タ 戦略を策定し強力に推進している データ戦略タスクフォース 第 一 次とりまとめ(以下「第一次とりまとめ」という。)参照)(図1)。

第一次とりまとめ以降の米国・欧州の動きと、中国・インド等新興国の状況は以下の通りである。

① 米国:巨大IT 企業と政府との協業

米国においては、世界を代表する巨大IT 企業を多く抱え、データの流通活用が進んでいる。一方、政府は、こういった実態を踏まえ民間部門のデータ活用促進に関して強い介入を行っていないが、公的部門に関しては、連邦・州政府レベル双方が積極的な取組を行っている。特に連邦レベルでは、令和元年(2019 年)6月の連邦データ戦略に基づいてデータの価値向上やガバナンス体制の構築を急速に進めており、同戦略に基づき設置された各連邦政府機関のCDOから構成される連邦CDO 会議が、令和2年末(2020 年末)に連邦議会に対する最初の報告書を提出し、令和3年(2021年)には連邦政府機関職員のデータスキル向上や機関間連携の拡大等を本格的に進めていくものとしている。現状整理、ルール及びガイダンスの整備が終わり、これから基盤整備を本格化する段階にある。

またデータ利活用を格段に高度化するAI に関して、国家安全保障局が平成30 年(2018 年)に設置したNSCAI(National Security Commission on Artificial Intelligence)が令和3年(2021 年)3月に最終報告書を公表し、国防分野におけるAI 活用の高度化を提言している。

なお、近年、巨大IT 企業によるプライバシー侵害の恐れ、フェイクニュースの拡散と民主主義の脆弱性の露呈、競争上の課題等が注目を浴びてきており、これまで民間部門に関しては自由放任的であった米国のデジタル戦略も大きな曲がり角に差し掛かっている 。

② 欧州: 欧州委員会 によるルール形成

欧州においては、公的部門だけでなく民間部門も視野にいれた 令和 2 年2020 年 2 月の欧州 データ 戦略に基づき 、 欧州委員会から データ共有サービス提供者のルール枠組を中心とする「データガバナンス法」案 が 令和2 年( 2020 年 11 月に公表され 、 令和 3 年中( 20 21 年中 には、民間保有データの公益利用や、企業同士の適正なデータ共有を促すための「データ法」案が公表される予定である。 令和 3 年( 2021 年 3 月には「デジタル・コンパス 2030 」を公表し、デジタル人材の育成やインフラ整備、企業のデジタル活用、公的サービスのデジタル化に関して、 令和 12 年( 2030 年までの 達成 目標を設定している。 さらに 令和 3 年( 2021 年 4月には、リスクに応じ AI を4段階に分類した規制枠組を設ける包括的 な AI 規則案を公表し ており 、 欧州委員会が中心となり 、 デジタル分野での 国際的なルール形成を主導しようとしている。

また、欧州では連邦型の欧州クラウド/データインフラ構想であるGAIA Xプロジェクトの動き が加速している 。 今現在は、 令和 2 年( 2020 年10 月に設立された推進機関 GAIA X A ISBL において、技術アーキテクチャやクラウド事業者など参画者に求める 共通 ルールの策定が進められている。データ 共有 やアクセス制御に関する具体的なソフトウェア技術として、IDS A I nternational Data Space s Association が推進する I DS コネクタの利用が想定されている。

③ 中国:国家権力を背景としたトップダウン型

中国では、平成 18 年( 2006 年 に策定した「国家情報化発展戦略」( 平成 18 年( 2006 令和 2 年( 2020 年) を皮切りに、 平成 28 年( 2016 年には第 13 次5か年計画、国家ビッグデータ戦略、国家イノベーションの駆動発展戦略、国家情報化発展戦略綱要、国家情報化規画、国家サイバー空間セキュリティ戦略を矢継ぎ早に打ち出し、国家主導によるデジタル社会基盤を発展させてきた。

中国のデータ活用政策は、市街地における顔認証機能付き監視カメラの配備や、 公的サービス への 社会信用システムの活用 等 に象徴される、トップダウンの強固な国民監視を特徴とする。コロナ禍においてもその性質は更に 強まり、広範な個人情報収集とデジタル証明書 等 を通じた行動管理が行われている。 さらに デジタ ル・シルクロードなどの海外戦略に付随して 、同様の社会管理システムを 近隣の 新興国に輸出しようとする動きもある。

④ インド:ボトムアップ によるレイヤー構築を通じたリープフロッグ

インドでは、 新興国の リープフロッグ(蛙跳び) 現象 を 象徴する ボトムアップ の急速な最先端技術の 受容 が進んでいる。 平成 21 年( 2009 年 )から導入された国民 ID システム「 A adhaaradhaar」を基盤とし、ボトムアップで「インディア・スタック」と呼ばれる、デジタル公共 インフラ を次々と創造 してきた。まず、 個人の生体情報(指紋・ 虹 彩 等 に基づく 個人識別番号が付与 され、納税者番号や銀行口座 等 と紐付けられ ることで、国民に直接補助金・給付金を振り込むことが可能となるなど、 公共サービスのスムーズな提供 が 実現している。 また、インディア・スタックの効果は公共サービスに限られない。データ転送の基本機能やフォーマットを APIとして標準化し、民間企業にも開放することで、認証や電子決済のほか資格証明、電子契約、電子カルテ診断等の民間サービスを誘発している。 さらに 、 中央政府に限らず多くの人に設計図やプロセスを共有することで、各州政府、各省、 IT ベンダーなどさまざまなアクターが協働 可能な プラットフォームを実現している。

⑤ その他:自国の状況に対応したデータ活用の進展

この他世界各国では 、自国の状況 に 対応した様々なデータ 関連 施策 が 進め られ ている。 台湾では、 コロナ対応における 迅速 な ICT 活用が国際的にも 広く注目を集めた。 シンガポールでは 、 平成 26 年( 2014 年 から、自国の抱える水資源や廃棄物、食料問題等の課題 について データを用いて解決する 「 スマートネーション・イニシアテ ィブ 」 を推進している。韓国では、 広く普及した国民 ID と高度な電子行政が社会全体の DX 推進の基盤として機能している。 イスラエルでは、膨大に蓄積された医療データの活用によるデジタルヘルス分野の基盤整備が大きく進んでいる。

(3) 日本の遅れ

我が国では、これまで「 政府の IT に 係る インフラ 整備」及び「 官民での IT利活用 」 に係る戦略である IT 戦略、 AI を活用して社会全体を高度化する AI戦略、ならびに サイバー と フィジカルを融合することによる人間中心の社会の構築を目指す第5期科学技術基本計画を策定してきた。

これら幾多 の関連戦略の策定にもかかわらず、日本社会全体でのデータに係る リテラシーの低さ、プライバシーに関する 強い 懸念 等 から、データの整備、データの利活用環境の整備、実際のデータの利活用は 十分に 進んでこなかった。

今般のコロナ禍においては、国・地方公共団体 での情報共有が進まない、公開されるデータが使い づ らく民間のサービス提供が困難、事業所などの基礎的データの整備が不十分で迅速な給付行政が困難など我が国のデジ タル化への対応の遅れが露呈した。 これらの事態の背景にあるのは、デジタル社会実現の中核となるデータについて 焦点を当てた戦略の不在である。

こういった状況 を踏まえ、 令和2 年( 2020 年) 1 0 月よりデータ戦略タスクフォースで 議論 を 開始 し 、「 第 一 次とりまとめ 」 で 課題の頭出しを行った ところである 。 本 戦略 は、 抽出 された 課題に対 する 具体的対応と その実装に向けた方策を定め る ものである。

2. 包括的 データ戦略の基本的な考え方

(1) 目指すもの

本戦略 の基本的な 考え方を明確に し 、 官民の幅広いステ ー クホルダーでの共有を可能とするため、 本 戦略の基本的価値観である理念、 その 理念に基づき目指すべき社会 の ビジョン、 及び その ビジョンを実現する基本的行動 指針を定める。

その際、リアルタイムデータを含む膨大な量のデータを生成、収集、活用し、日本の豊かな人間社会と新たな価値を創出し、日本の国力を強化するためには、国民や行政機関、企業、アカデミア 等 がデータに対する認識を共有する必要があることに留意すべきである。

(理念)

データは蓄積・活用されることが基本である。我が国には信頼、安心、三方よし、を重んじる、という伝統文化、国民性があり、その 強みを最大限に引き出し世界に 対して も貢献する ことができるはずである。

その ため、 本 戦略の理念としては、 「信頼と公益性の確保を通じてデータを安心して効率的に使える仕組みを構築するとともに、世界からも我が国のデータそのものやその生成・流通の在り方に対する信頼を確保し、世界で我が国のデータを 安心 して活用でき、また、世界のデータを我が国に安心して預けてもらえる ような社会 」と したところである 第 一 次とりまとめ) 。

(ビジョン)

上記理念 を実現するためには、まずは、我が国が目指すべきデジタル社会の在り方を描く必要があるが 、 我が国には 既に Society 5.0 の実現という国家戦略が存在する 第 5 期科学技術基本計画 。そ のため、 本 戦略のビジョンは、「 フィジカル空間(現実空間) と サイバー空間(仮想空間)を高度に融合させたシステム (デジタルツイン を前提とした 、経済発展と社会的課題の解決を両立 (新たな価値を創出 する人間中心の社会 であり、豊かな人間社会を支えるものである。それはまさに日本政府が目指す S o ciety 5.0のビジョンと合致する」 と したところである (第 一 次とりまとめ) 。

(行動指針)

Society 5.0 の実現という 本 戦略の ビジョンを実現するために は 、 ① 広範なデータが使える こと (デジタルツインの実現 、 ② データを コントロールできること、 安心して使える こと (人間中心 のデータ利活用 、 ③ ステークホルダーが連携し 新たな価値を創出する こと (新たな価値の創出)、 が必要であり、官民の双方に共通する 基本的行動指針として 、 以下に掲げるデータ活用原則を 示し たところである(第一次とりまとめ)。

① データがつながり、いつでも使える
  • つながる(相互運用性・重複排除・効率性向上
  • いつでもどこでもすぐに使える(可用性・迅速性・広域性
② データを勝手に使われない、安心して使える
  • 自分で決められる、勝手に使われない(コントローラビリティ・プライバシーの確保)
  • 安心して使える(セキュリティ・真正性・信頼)
③ 新たな価値の創出のためみんなで協力する
  • みんなで創る(共創・新たな価値の創出・プラットフォームの原則)

(2) 実装についての基本的な考え方

① 社会実装の前提となる業務改革

新たな価値の創出なくして本 戦略の社会実装は進まない。 「データ環境」を「新たな価値の創出」に結び付けていくためには、既存のプロセスを単純にデジタルに置き換えるだけでなく、 データを提供・活用するステークホルダー の 抽出 を 通じた 「いかなる価値を誰に対して生み出すか」 についての 明確化 と 、 それを 踏まえた上での、 どのような情報が必要でどのように 取得するか についての 検討 が重要である 。 このプロセスを回していくことにより、 価値を 持続的に高める ことができる 。その際、 これまでの業務やビジネスデザインをゼロベースで徹底して見直す必要がある。 これは 公共分野 に限らず、官民を横断した準公共 分野、そして 民間分野 を通じて 全分野 で 取 り 組む必要がある。

② 行政におけるデータ 行動原則

特に、コロナ禍においてデジタル化の遅れが 最も 顕著に露呈した行政分野においては 、 業務改革を 率先して行う 必要 性が明らかになった。 今の政府においては、そもそも行政を行うにあたって「データを重視する姿勢・文化」が十分でなく、「データを活用する環境」も整備されておらず、その結果、諸外国との比較において「実際の利活用」も進んでいない。 また、データ等エビデンスに基づく政策立案(EBPM)を推進していくことも重要な課題となっている。 このため 、 今後行政分野において改革を行う際に遵守すべき「 行政における データ行動原則 」 を 下記のとおり定めることとする。

ア データに基づく行政(文化の醸成)
  • 政策課題に対応するデータの特定
    政策課題を明確にするための
    データを明確化、発掘する
  • 意思決定のためのデータの使用
    データに基づく客観的な判断を行う
    データに基づく政策のモニタリング・検証を行い、改善につなげる
  • データ視点での業務の見直し
    紙等で行われていた業務をデータの視点で抜本的に見直す
  • 行政によるデータ作成 ・提供
    社会に貢献するデータを積極的に整備し、必要な範囲で公開する
イ データエコシステムの構築
  • 活用・共有を前提としたライフサイクルに配慮したデータ設計・整備
    データ活用や共有、外部連携を可能とする設計にし、後で使いやすいデータを整備する
  • データ標準の活用
    データは可能な限り標準を活用する
  • データの品質確保
    データの誤りが入りにくい入力や中間処理、検証 を行い、データの品質を確保する
  • データ資産の整理
    自組織の保有するデータ資産を整理しそのデータの持つ価値を引き出せるようにする
ウ データの最大限の利活用
  • データアクセスのルールの明確化、公開
    データにアクセスしやすいようにルールを明確化し、公開する
  • データアクセス方法の多様化、公開
    データのアクセス方法を多様化し、様々な利用に対応できるようにする
  • オープンデータの推進
    オープン化可能なデータは原則オープンにして、データの価値を引き出す

③ プラットフォームとしての行政

デジタル社会においては行政機関が最大のデータ保有者であり、行政自身が国全体の最大のプラットフォーム( Platform of Platforms System of Systems )とな り、それがガバメントクラウド上で提供されることを通じて広く国民や民間企業 等 から活用される ことが産業競争力や社会全体の生産性向上に直結する 。 ま た、行政自身が EBPM を進める上でも、データの利活用の環境整備が重要である。

このため、行政機関は 、 上記 行動原則を遵守 ・実践しつつ、 データの分散管理を基本として、 行政機関全体の アーキテクチャを策定、マイナンバー制度とリンクした ID 体系の整備、ベース・レジストリをはじめとした基盤 となる データの整備、 及び カタログの整備等を行うとともに、民間ともオープン化・標準化された API で連動できるオープンなシステムを構築していくこと とする 。

(3) 日本全体が参照すべき アーキテクチャ

上記行動指針や業務改革を通じて本 戦略の ビジョン を実現するためには、データに関わる我が国の 全て のプレ イ ヤーが我が国全体のデータ構造=「アーキテクチャ」を共有し、それぞれの取組の社会全体での位置づけを明確化、連携の在り方を模索するとともに、無駄な重複の排除、欠落部分の補完を行っていく必要がある。アーキテクチャを共有することを通じて初めて有機的 ・ 一 体的かつダイナミックなデジタル社会を構築することが可能になる。

そのため、皆が共有すべき我が国のデータ アーキテクチャを 基本的に7つの階層及び2つの階層 横断的要素からなる 構造とし、それを 図3 の とおり示す。

本 戦略の策定、実践は常に こ のアーキテクチャを踏まえて行うものとする。

(新たな価値の創出)

本戦略 の 目標はデータがつ な がることで 「 新たな価値を創出」すること(第7層 である 2.(1)( ビジョン 参照) 。 そのためには、データ利用者を含むステークホルダーの視点からみて、 幅広いデータ の 集約 ・ 分析 ・活用が 包括的・効率的・一元的に実現でき ていること 、それらの実現によりステークホルダーが AI シミュレーション 等でデータを最大限活用することを見据えたアーキテクチャとすること が必要である。その実現のためにはインフラ 第 1 層 からルール(第 5 層)に至るまでの「 データ環境整備 」と社会実装過程における 業務改革(第 6 層)=ビジネス プロセス・リエンジニアリング(以下「 BPR」 という。 )が求められる。

(社会実装と業務改革=第6階層)

本階層においては、「 Ⅰ. 2.( 実装についての基本的な考え方 ① 社会実装の前提となる 業務改革 」 で示したことを踏まえ、 「いかなる ステークホルダーがいかなる価値を生み出すのか 」 、そのためには「どういった業務の在り方、データ提供の在り方が求められるか」、といった 視点で BPR を実施することとする 。

(データ環境整備)

データ環境についてはインフラからルールにいたるまで構造的 ・ 網羅的 ・整合的 に 整備する 。

① 第1層: インフラ

デジタル社会を支える 5 G 、データセンタ、計算 インフラ などのインフラを定義し、そ の整備 を計画的 ・ 整合的に推進。

② 第2層: データ

政府や 地方公共団体 が整備するベース・レジストリをはじめとする社会活動の基礎となるデータの整備(公共分野を担う民間部門のデータ整備を含む) から着手し、必要なデータを構造的に構築。

③ 第3層: 連携基盤(ツール)

上記の データを システマティックに 連携させるための API やカタログなどのデータ連携ツール を 整備 。

④ 第4層: 利活用環境

PDS Personal Data Store・情報銀行やデータ取引市場などの連携されたデータを多様な主体が使いこなすための利活用環境を整備 。

⑤ 第5層: ルール(データガバナンス/トラスト基盤等)

データ標準や品質などのデータ連携に必要なルールの整備に加え、安心してデータを利活用するためのトラスト基盤などのルール を 整備 。

なお、本戦略で は、 連携基盤(ツール) 、利活用環境 と 、 データ連携に必要なルール を 包括的 ・ 有機的に 提供する 基盤を「 プラットフォーム 」と 呼ぶ 。

(階層横断的要素)

本戦略においては、上述の7つの階層に加え、各階層のそれぞれの取組にあたって階層横断的な要素として人材、セキュリティを 検討 する必要がある。包括的 データ戦略 の 実装の司令塔となるデジタル庁の役割令和3(2021 年) 年9月に発足するデジタル庁は、行政システムの構築だけでなく日本社会全体のデジタル化の司令塔、データオーソリティとしての役割を果たすこととなっている。

そのため、 国・地方の 情報システム 、 医療・教育・防災などの 準公共分野等 の情報システム整備方針を策定 するとともに、 民間分野においても 業種を超えた相互連携が重要な分野 を 指定 し、 これら相互連携分野については デジタル庁の指揮の下、 各 府省庁 が 標準に 係る整備方針 を策定することとなる。まずは、これらのデジタル庁の業務を通じて本戦略を実践していくものとする。

それを担保するため、 デジタル庁の関わる情報システム整備の 予算レビューの中で 前述の「 行政における データ 行動原則 」 が遵守されているか を評価していく。 健康・ 医療・ 介護、 教育、 防災 等 の 準公共分野 において、 本戦略に基づき、ステークホルダー目線の業務改革が行われ付加価値の高いサービスを提 供 する プラットフォーム が構築されるよう 情報システム 整備方針を策定する とともに、 相互連携 分野においては、 標準に 係る整備方針の策定に当たって 、本戦略との整合の確保を図る 。

また、本 戦略の社会実装における AI の利活用については、統合イノベーション戦略推進会議が策定する AI 戦略との連携を図っていくことが重要である。

参照

-デジタルヘルス

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