マイナンバーは、もともとは納税が適切に行われているか、財産や所得等を一元的に管理することが主目的でした。
年末調整や確定申告、証券口座登録や民間保険加入時にマイナンバーの提出が必要だったことからも、個々人の財産と所得の管理が第一の目的とされていた経緯は伺い知れます。
ただ、せっかくの国民一人一人に付与されたこの番号、財産管理目的だけに使うのは勿体ないのは当然です。
電子政府で有名になったエストニア然りで、国民IDは行政サービスや認証系ビジネス(規制産業)との親和性が非常に高いと言えるでしょう。
なぜなら、公的インフラの元に成り立っているサービスは、国民IDを使う等して「誰がそのサービスを使っているか」の追跡性がある程度求められるためです。
もちろん、誰でも彼でも個々人を特定できるのはNGで、ITセキュリティや仕組みも同時に求められます。そのあたりはまた後で。
マイナンバーカードが保険証に!
そして、ついにマイナンバーカードが保険証としても使えるようになります。
これはかなり画期的なことで、いままで「保険証」は、親の不要から外れたり、就職したり、転職したり、退職したり、年齢が行って以上になったりするとその都度変わってしまうという状況でした。
それが、同じ人であればずっと変わらないということになります。
その利点として大きいのは、その人の情報が一生涯繋がる素地ができた点です。
今まで、子供の時の診療情報と、就職してからの診療情報などが、保険証が変わってしまうタイミングで、その都度途切れてしまうという状況でした。
結婚してパートナーの不要に入ったときにも変わってしまうので、色んなところで情報がブツ切りになってしまっていたという、勿体ない状況でした。
国民の医療情報は、プライバシーを守りながらも、「ビッグデータ」として利用可能になると、それは国の財産とみなすこともできます。
情報を「確実に」「綺麗に」集めることができる環境というのは、そう簡単に出来るものではないので、そういった環境が整っているかどうかは国としての価値に繋がり得ます。
マイナンバーに関しては、Personal Health Record (PHR) の活用だけでなく、免許・資格情報の一元管理、公金受取のための活用のように、行政関連手続きの効率化という点でも無駄を省く効果が見込まれます。
というより、行政手続きの無駄を省くのが主目的で、PHR活用はその副次的効果と捉えた方が自然でしょうね。
医療等IDについての話はこちらの記事をどうぞ。
当然ながらこうした大きな変化の際には反対意見も沢山出てきますから、そうした声に耳を傾けつつ、無駄を省くという共通の目的に向けて着実に歩を進めるのが吉でしょう。