医薬品医療機器等

イムネース注35 [テセロイキン](審議結果報告書2021年5月20日)

審査報告書

令和 3 年 5 月 18 日
独立行政法人医薬品医療機器総合機構

承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は、以下のとおりである。

[販売名]

イムネース注 35

[一般名]

テセロイキン(遺伝子組換え)

[申請者]

塩野義製薬株式会社

[申請年月日]

令和 2 年 10 月 9 日

[剤形・含量]

1 瓶中にテセロイキン(遺伝子組換え)35 万単位を含有する用時溶解注射剤

[申請区分]

医療用医薬品(4)新効能医薬品、(6)新用量医薬品

[特記事項]

迅速審査(令和 2 年 10 月 30 日付け薬生薬審発 1030 第 2 号)

[審査担当部]

新薬審査第五部

[審査結果]

別紙のとおり、提出された資料から、本品目の神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強に対する一定の有効性は示され、認められたベネフィットを踏まえると安全性は許容可能と判断する。

以上、医薬品医療機器総合機構における審査の結果、本品目については、以下の効能又は効果並びに用法及び用量で承認して差し支えないと判断した。

[効能又は効果]

(1)血管肉腫
(2)腎癌
(3)神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強

(下線部追加)

[用法及び用量]

(1)血管肉腫

生理食塩液又は 5%ブドウ糖注射液等に溶解し、通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1 日 70 万単位を、1 日 1~2 回に分けて連日点滴静注する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は 1 日 140 万単位とする。

(2)腎癌

生理食塩液又は 5%ブドウ糖注射液等に溶解し、通常、成人にはテセロイキン(遺伝子組換え)として1 日 70 万単位を、1 日 1~2 回に分けて連日点滴静注する。

なお、年齢、症状により適宜増減するが最大投与量は 1 日 210 万単位とする。

増量することにより、肝機能検査値異常、体液貯留が発現しやすくなるため、注意すること。

(3)神経芽腫に対するジヌツキシマブ(遺伝子組換え)の抗腫瘍効果の増強

ジヌツキシマブ(遺伝子組換え)及びフィルグラスチム(遺伝子組換え)との併用において、通常、テセロイキン(遺伝子組換え)として 1 日 1 回 75 万単位/m2(体表面積)又は 1 日 1 回 100 万単位/m2(体表面積)を 24 時間持続点滴静注する。28 日間を 1 サイクルとし、2、4、6 サイクルの 1~4 日目に 1 日 1 回 75 万単位/m2(体表面積)、8~11 日目に 1 日 1 回 100 万単位/m2(体表面積)を投与する。

(下線部追加、取消線部削除)

審査報告(1)

起原又は発見の経緯及び外国における使用状況に関する資料等

申請品目の概要

TEC は、ヒト脾臓由来のリンパ球から得られた mRNA を出発材料として、遺伝子組換え技術により大腸菌内で産生されるヒト IL-2 製剤である。TEC は、ADCC のエフェクター細胞である NK 細胞等を活性化することにより、DIN による ADCC 活性を増強すると考えられている。

本邦において、TEC は、1992 年 3 月に「血管肉腫」、1999 年 3 月に「腎癌」を効能・効果として承認されている。

開発の経緯等

神経芽腫に係る TEC の臨床開発として、地方独立行政法人大阪市民病院機構 大阪市立総合医療センターにより、国立研究開発法人日本医療研究開発機構の革新的がん医療実用化研究事業等による医師主導治験として、以下の 2 試験がそれぞれ 2013 年 10 月及び 2016 年 7 月から実施された。

  • 大量化学療法歴を含む集学的治療歴のある神経芽腫患者を対象とした DIN/FIL/TEC 投与の国内第Ⅰ/Ⅱa 相試験(GD2-PⅠ試験)
  • 大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者を対象とした DIN/FIL/TEC 投与の国内第Ⅱb 相試験(GD2-PⅡ試験)

なお、2021 年 3 月時点において、神経芽腫に係る効能・効果で TEC が承認されている国又は地域はない。

今般、GD2-PⅡ試験を主要な試験成績として、神経芽腫に係る効能・効果及び用法・用量を追加するTEC の一変申請が行われた。

なお、神経芽腫に係る効能・効果及び用法・用量を追加する TEC の一変申請については、厚生労働省医薬・生活衛生局医薬品審査管理課より、保健衛生上特に審査及び調査を迅速に進める必要性が高い品目として、迅速処理の通知が機構宛に発出されている(令和 2 年 10 月 30 日付け薬生薬審発 1030 第 2号)。

臨床的有効性及び臨床的安全性に関する資料並びに機構における審査の概略

DIN/FIL/TEC 投与の用法・用量について

申請者は、DIN/FIL/TEC 投与の用法・用量について、以下のように説明している。

下記の臨床試験成績等を基に設定した用法・用量で GD2-PⅡ試験が実施され、大量化学療法を含む集学的治療施行後に疾患進行が認められない高リスク群神経芽腫患者に対する DIN/FIL/TEC 投与の臨床的有用性が示されたこと等から、GD2-PⅡ試験における設定に基づき、DIN、FIL 及び TEC の申請用法・用量を設定した。

  • 米国、欧州等における米国レジメンの承認の根拠となった 301 試験の設定を参考に、GD2-PⅠ試験における DIN/FIL/TEC 投与の用法・用量を検討した。なお、CSF 製剤及び IL-2 製剤と併用することにより、好中球、NK 細胞等の活性化を介して神経芽腫細胞に対する DIN の ADCC 活性を増強させることが示唆されていたことから(Cancer Res 1991; 51: 144-9、J Immunother 1999; 22: 423-30)、DIN、FIL 及び TEC を併用することとした。
  • DIN の用量については、NCI 製剤 25 mg/m2 に相当する UTC 製剤 17.5 mg/m2 を GD2-PⅠ試験の開始用量として選択した。GD2-PⅠ試験において DIN との因果関係のある DLT は認められなかったことから、17.5 mg/m2 を RP2D とした。なお、米国レジメンにおいては DIN を含む併用療法を 5 サイクル投与し、第 6 サイクルでは isotretinoin を単独投与することとされているが、DIN/FIL/TEC 投与では isotretinoin を併用していないことから、米国レジメンと治療サイクルと合わせるために DINを含む併用療法を 6 サイクル投与することとした。
  • CSF 製剤については、GD2-PⅠ試験において FIL を含む併用投与とミリモスチムを含む併用投与を比較検討し、有効性及び安全性に明確な差異は認められなかったこと等に加え、製剤の安定供給の観点を考慮し FIL を選択した。FIL の用量については、連日投与による過剰な白血球上昇のリスク等を考慮し、発熱性好中球減少症に対する欧米での推奨用量である 5 μg/kg を GD2-PⅠ試験の開始用量として設定した。その結果、GD2-PⅠ試験の第 1 サイクルにおいて DLT は認められなかったことから、5 μg/kg を RP2D とした。
  • TEC の用量については、aldesleukin 3 単位が TEC 1 単位に相当するとされていたこと(Biotherapy today 1994; 1: 41-3)を参考に、米国レジメンにおける aldesleukin 300 及び 450 万単位/m2 に相当する用量である TEC 100 及び 150 万単位/m2 を基準に、安全性を考慮し、TEC 75 及び 100 万単位/m2 をGD2-PⅠ試験の開始用量として設定した。その結果、GD2-PⅠ試験の第 2 サイクルにおいて 2/6 例にDLT が認められたことから TEC の増量コホートへの移行は行わず、75 及び 100 万単位/m2 を RP2Dとした。

また、下記の理由から、DIN、FIL 及び TEC の用法・用量に関連する注意の項を設定した。

  • GD2-PⅡ試験では、各サイクル開始前に必要な検査項目が設定され、当該設定に従うことにより DINの臨床的有用性が認められたことから、当該設定を用法・用量に関連する注意の項において注意喚起する。
  • 現時点において、DIN と併用せずに FIL 又は TEC を投与した際の有効性及び安全性に関する臨床試験成績は得られておらず、神経芽腫患者に対して、DIN/FIL/TEC 投与以外の用法で FIL 又は TECを投与することは推奨されないことから、適正使用促進のため、併用する薬剤の添付文書を確認する旨及び添付文書の臨床成績の項の内容を熟知する旨を注意喚起する。

なお、DIN を休薬又は中止した場合に FIL 及び TEC のみを継続することの有効性及び安全性を検討した臨床試験成績は得られていないことから、DIN を休薬又は中止した場合に FIL 及び TEC を継続することは推奨されないと考える。

機構が考察した内容は、以下のとおりである。

上記の申請者の説明を概ね了承した。ただし、神経芽腫患者に対して、DIN/FIL/TEC 投与以外の用法で TEC を投与した際の有効性及び安全性は確立していないことから、DIN 及び FIL との併用においてTEC を投与する旨については、用法・用量で明確にすることが適切であると判断した。また、GD2-PⅡ試験においては、疼痛及び infusion reaction の軽減を目的としてオピオイド並びに抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を併用投与する旨が規定されていたことから(7.R.3.3 及び 7.R.3.4 参照)、DIN の用法・用量に関連する注意の項において、当該内容を注意喚起することが適切であると判断した。

なお、DIN、FIL 及び TEC のいずれについても、併用する薬剤の添付文書を確認する旨の注意喚起は一般的な内容であり、設定する必要はないと判断した。加えて、DIN の用法・用量に関連する注意の項における各サイクルの投与開始前に各種検査を行う旨の注意喚起及び TEC の用法・用量における生理食塩液又は 5%ブドウ糖注射液等に溶解する旨の内容は、添付文書のその他の項において注意喚起することが適切であると判断した。

以上より、DIN、FIL 及び TEC の用法・用量及び用法・用量に関連する注意について、下記のように設定することが適切であると判断した。

<DIN>

  • 用法・用量
    FIL 及び TEC との併用において、通常、DIN として 1 日 1 回 17.5 mg/m2(体表面積)を 10~20 時間かけて点滴静注する。28 日間を 1 サイクルとし、1、3、5 サイクルは 4~7 日目、2、4、6 サイクルは 8~11 日目に投与する。
  • 用法・用量に関連する注意
    • DIN は 1 時間あたり 0.875 mg/m2 で点滴静注を開始し、投与開始 20~40 分以降に患者の忍容性が良好な場合は、1 時間あたり 1.75 mg/m2 で点滴静注する。副作用のために減速した場合は、最大 20 時間で投与終了とする。
    • DIN 投与時にあらわれることがある疼痛を軽減させるため、DIN の投与前から投与 2 時間後まで、オピオイドを投与すること。
    • DIN 投与時にあらわれることがある infusion reaction を軽減させるため、DIN の投与前に、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与すること。
    • 副作用発現時における DIN の調節の目安について。

<FIL>

  • 用法・用量
    DIN 及び TEC との併用において、通常、FIL として 1 日 1 回 5 μg/kg(体重)を皮下投与する。28 日間を 1 サイクルとし、1、3、5 サイクルの 1~14 日目に投与する。ただし、白血球数が 50,000/mm3以上に増加した場合は休薬する。なお、状態に応じて適宜減量する。
  • 用法・用量に関連する注意
    • FIL の投与により、白血球数が 50,000/mm3 以上に増加した場合は休薬し、その後白血球数が20,000/mm3 以下になった場合、FIL を減量して投与再開を検討すること。

<TEC>

  • 用法・用量
    DIN 及び FIL との併用において、通常、TEC として 1 日 1 回 75 万単位/m2(体表面積)又は 1 日 1回 100 万単位/m2(体表面積)を 24 時間持続点滴静注する。28 日間を 1 サイクルとし、2、4、6 サイクルの 1~4 日目に 1 日 1 回 75 万単位/m2(体表面積)、8~11 日目に 1 日 1 回 100 万単位/m2(体表面積)を投与する。
  • 用法・用量に関連する注意(設定なし)

参照

新医薬品の承認品目一覧

https://www.pmda.go.jp/review-services/drug-reviews/review-information/p-drugs/0010.html

PMDA医療用医薬品 情報検索

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuSearch/

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