エビデンス全般

有効性・安全性 と リアルワールドエビデンス(その2)

こんにちは。E太郎(Evidence太郎)です。
今回は「有効性・安全性とリアルワールドエビデンス(その2)」についてご紹介します。

※前回記事はこちら

21st Century Cures Actの下で、FDAは、既に承認された薬剤の適応追加をサポートするため、あるいは、又は承認要件(post approval committment)を満たすために、 RWEを用いるための枠組みを作ることが求められました。

FDAは定期的にRWDを使用して医薬品の安全性に関するエビデンスを提供しており、Sentinel Systemに加入している1億人を超える人々から得たレセプトデータ(調剤レセプトを含む)を使っています。さらに、 FDAの規制は、例えば疾患の経過が予測可能であり(例えば、特定の希少疾患やがん)、薬剤の効果が実質的である場合など、有効性の実質的な証拠を提供するシングルアームの介入研究において、実臨床から得られたヒストリカルコントロールを用いること(過去の蓄積データを比較対象とすること)を長い間認めてきました。例えば、フィラデルフィア染色体陰性の再発及び難治性B前駆細胞性急性リンパ芽球性白血病に対するブリナツモマブの迅速承認は、シングルアームの介入研究に基づいていました。閾値奏効率を、欧州連合及び米国の臨床試験及び治療施設から得られた694例以上の患者記録から抽出した同等の患者2000例の過去のデータと比較した、というものです。

リアルワールドエビデンスはいったい何の役に立つのか?という疑問を投げかける方に対しては、「新薬の有効性検証のための比較対照群に、過去データが仮想的に用いられている」ということを伝えれば、ある程度は説得できるでしょう。

すでに、新しい薬剤があるのに、プラセボ(偽薬)をランダムに服用ないし投与するようなことは必要がなくなりつつあります。

それでは、また。

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